電車やバスに乗っていて、下車予定の場所より先まで行ってしまうことを「乗り過ごす」といいます。
でもこれ、電車やバスから降りるべきところを過ぎてしまったとすると「降り過ごす」と言ってもいいのでは?と考える方もいるのではないでしょうか。
そこで、本記事では「乗り過ごす」を「降り過ごす」と言っても問題ないのか、詳しく解説していますよ。
「乗り過ごす」の言い換えは「降り過ごす」にはならない
「電車を降り過ごす」
って言うんだ?私は
「乗り過ごす」「降り損ねる」
って言うかな— もつ焼加賀山🌈👑🈴 (@sawayamaissun) April 8, 2022
まず結論からいうと、「乗り過ごす」を「降り過ごす」と言い換えることは正しくありません。
なぜなら、「乗り過ごす」は「乗り物に乗ったまま下車する予定の目的地より先に行ってしまう」という意味だからです。辞書にもそのように書かれています。
つまり、今乗っている「乗り」物から降りられなくて目的地を過ぎてしまったという風に解釈するのが正しいんですね。
そのため、「乗り過ごす」を言い換えるのであれば、「降り過ごす」ではなく「乗り越す」「降りそびれる」「降り損ねる」と言い換えるのが正しいことになります。
「乗り過ごす」を間違った意味で解釈しているひとが多い。「降り過ごす」は造語
電車に乗っていて降りる予定の駅で降りられなかった事を「降り過ごす」と言わない?乗ったまま過ぎるから「乗り過ごす」が正しいのかな。
予定していた電車に乗れなかった事を「乗り過ごす」と言うからその逆だと思うんだけど。
— Hirahara Makoto (@HR2) February 23, 2022
なぜ「乗り過ごす」と「降り過ごす」を混同する方が多いのかといいますと、「乗り過ごす」の意味を間違って理解している方が少なくないからです。
先ほども言ったように、「乗り過ごす」は乗り物に乗ったまま下車する予定の目的地より先に行ってしまうというのが正しい解釈ですが、
「乗り過ごす」を乗る予定だった電車やバスに乗れなかったという意味で解釈している方が多いんです。
乗り過ごすの間違った解釈
- 予定していた電車に乗れなかった…乗り過ごす
- 電車に乗っていて降りる予定の駅で降りられなかった…降り過ごす
上記のように理解している方がとても多いですし、一見日本語的には合っているようにも思えますが、この解釈は辞書的には正しくありません。
その証拠に、辞書で「乗り過ごす」を調べても、「下車予定の場所より先まで行ってしまう」の意味しかなく、「予定していた電車に乗れなかった」という意味は書かれていません。
また、「降り過ごす」という言葉はそもそも辞書に存在しません。
「乗り過ごす」の正しい解釈は以下の通り。
乗り過ごすの正しい解釈
- 乗り物に乗ったまま下車する予定の目的地より先に行ってしまう…乗り過ごす
- 予定していた電車に乗れなかった…乗り損ねる,乗りそびれる
「乗り過ごす」の意味を正しく覚えておけば、「乗り過ごす」は「降り過ごす」には言い換えることができないということがわかると思います。
まとめ
「乗り過ごす」は辞書に、乗り物に乗ったまま下車する予定の目的地より先に行ってしまうという意味で明記されています。
そのため、「乗り過ごす」は「乗り越す」「降りそびれる」「降り損ねる」に言い換えるのが正しいです。
「乗り過ごす」は、予定していた電車に乗れなかったという意味では使いません。
予定していた電車やバスに乗れなかったという意味の言葉を使いたい場合は、「乗り損ねる」や「乗りそびれる」という言葉を使いましょう。
「降り過ごす」という言葉は辞書には存在しないので、そもそも「降り過ごす」という言葉を使うことが間違いということになります。