「うる覚え」と言う方がときどきいらっしゃいますが、それを聞いてなんだか気持ち悪い…と感じる方も少なくないみたいです。
なぜなら「うる覚え」ではなく「うろ覚え」が正しい言い方であって、「うる覚え」は誤用じゃないか!と考える方が多いからです。
そもそもですが、「うる覚え」は本当に間違った日本語なのか、それとも実は間違ってなくて関西とかの方言なのでしょうか?
気になる方のために当記事では「うる覚え」は日本語として正しいのか、どこかの方言なのか、調べてみましたよ。
「うる覚え」は「うろ覚え」の誤用である可能性が高い
うろ覚えをうる覚えってうろ覚えしてる人結構いるよね
— れんくんのひとりごと (@R_hitorigoto18) October 4, 2023
まず結論からいうと、「うる覚え」は「うろ覚え」の誤用である可能性が高いです。
そもそもなぜ「うろ覚え」と言うかといいますと、「うろ=空洞」からきており、虚・空・洞の字が語源となっています。
あいまいにしか覚えていないということを、空洞を意味する「うろ」を使って「うろ覚え」と表すんですね。
一方、「うる覚え」の「うる」にはなにも意味がなく、そのような日本語は存在しません。
いくつかの辞書には「うる覚え」は誤りと記載されていることからも、「うる覚え」は「うろ覚え」の誤用である可能性が高いでしょう。
「うる覚え」は関西や茨城の方言?
うる覚えって間違いだと思ってたけど茨城県の方言らしいと思ったらやっぱ間違いらしい……?
うろ覚えが正しいのは間違いないけどそれ以外のバリエーションが方言とされるかどうかは微妙なラインってことだろうか……— hamasmi (@hamasmi) September 21, 2022
ネットで調べてみると「うる覚え」は関西や茨城の一部で使われている方言という情報が出てきます。
「うろ」が訛って「うる」になり、結果として「うる覚え」になったという説ですね。
ただ、この方言という説には決定的な根拠がなく、ほんとうに関西や茨城の方言なのかというと、なんとも言えないです…。
それよりも、「うる」の字が「うろ」の文字や音に似ていることから、間違って「うる覚え」で覚えて使っているという説のほうが腑に落ちます。
実際、「うる覚え」は方言ではなく「うろ覚え」の言い間違いと考える方のほうが多いです。
雰囲気を「ふんいき」ではなく「ふいんき」と言い間違えてしまうのと同じ現象な気がしますね。
まとめ
「うる覚え」には大きく分けて以下の二つの説があります。
- 「うろ覚え」の言い間違い。「うる」の字が「うろ」の文字や音に似ていることから生じた。
- 関西や茨城の一部で使われている方言
関西や茨城の方言であるという説はあまり有力ではなさそうで、「うろ覚え」の言い間違いという説のほうが有力です。
なので、よほどこだわりがあるというひとじゃなければ「うる覚え」は使わないほうが良さそうですよ。