「半分ずっこ」という言葉を使ったり聞いたことがあるという方は意外と多いと思います。
この「半分ずっこ」、方言かと思いきや全国各地で使われており、方言なのか標準語なのか謎の多い言葉なんですよね。
そこで、本記事では「半分ずっこ」はいったいどこの方言なのか、意味や語源についてなど気になる点を調べてみましたよ。
「半分ずっこ」の意味は?
昔ある漫画を読んでいて、「喜びも悲しみも半分ずっこ」という台詞に妙に心奪われてしまった。「半分ずっこ」とは「半分にする」という意味の方言らしいのだけど。なんだか可愛い「半分ずっこ」。この言葉を使える相手がいる方は使ってみてね♥️😉
— コナ (@TnDTsTywYtPGQtX) August 18, 2020
「半分ずっこ」は、半分ずつに分けるという意味になります。
ひとつの食べ物を二人で半分づつに分ける際などに「半分ずっこ」を使うことが多く、
例えば、「このパンケーキ半分ずっこする?(このパンケーキ半分ずつに分ける?)」などと使ったりします。
半分ずっこは全国で使われている!方言ではない?
「半分ずっこ」って初めて聞いたので方言なのかと思って調べたらそうでもないみたいですね 地域に関係なく言う人は言うし、言わない人は言わない…って感じみたいだけど、何なんだろうこの言葉 テレビとかどこかの絵本とかで言ってたとか?なんだか不思議な言葉だな~~
— ( ತಎತ)<乃汰🐘 (@hn_46) January 24, 2018
「半分ずっこ」が使われている都道府県を調べてみましたが、以下の通り全国各地で使われているようです。
- 「東京、茨城、栃木、千葉、埼玉」などの関東周辺
- 「京都、大阪」などの関西
- 「富山、石川、福井」などの北陸
- 「北海道」
- 「青森」などの東北
- 「静岡、愛知」などの東海
- 「広島、岡山」などの中国
- 「徳島、愛媛」などの四国
- 「福岡、熊本」などの九州
調べてみると茨城、千葉、栃木といった関東で最も使われている率が高いのですが、かといって関東発祥の方言というわけでもないみたいです。
そもそも日本全国で使われているのでもはや方言とも言えないんですよね…。
ちなみに、広辞苑などの辞書を調べてみても「半分ずっこ」という言葉は載っていないので造語の可能性も高いです。
「半分ずっこ」は幼児語という説も
方言ネタで思い出した。昔から我が家は「半分ずつ」を「半分ずっこ」って言う。普通だと思ってたんだけど違うらしく、かといって関西弁でもない。調べてみたらどうも全国区で使う人と使わない人が居て、どこの方言でもないらしい。「幼児語の一種では?」て言われてるみたい。
— 塩 (@sio_310) July 26, 2011
「半分ずっこ」は方言ではなく幼児語、子供が使う言葉なのではないかという説もあるんです。
幼児語に「半分こ」という言葉があります。「半分こ」は全国で使われている言葉なので、おそらくほとんどの方が知っていると思います。
この「半分こ」という幼児語と「半分ずつ」という言葉が混ざって「半分ずっこ」という造語が出来上がったのではないかと言われています。
確かに「半分ずっこ」はほぼ全国で使われている言葉なので、方言ではなく全国区の幼児語の一種と考えたほうが腑に落ちるかもしれませんね。
「半分ずっこ」に似た言葉はたくさんある
講師室での会話「あれ、『半分ずっこ』っていいません?」私は言わないけど、たまーに聞くかも…
方言なのかな、なんだろう。 幼児語に「半分こ」という言葉があるけど、それと「半分ずつ」というが混ざって「半分ずっこ」かな。
そんな話をしていたら、私は「半分こっつ」ですって・・・まじか
— 日本語教師 コトハジメ (@coto_hajime) April 14, 2023
ちなみに半分に分けるの言い方はとても多く、「半分ずっこ」の他にも「半分こっこ」「半分こっつ」「半分つっこ」「半分つ」などさまざま。
なぜこのようにさまざまレパートリーがあるのかは定かではありませんが、
「半分こ」や「半分ずつ」が混ざったり、語尾変化してこれらの言葉に派生した可能性が高いのではないかとわたしは考えています。
まとめ
「半分ずっこ」について調べてみましたが、どこの方言なのか、そもそも方言なのかどうか明確な答えは見つかりませんでした。
ただ、全国各地で使われていることからも、方言ではなく「半分こ」や「半分ずつ」が混ざったり語尾変化してできた造語・幼児語の一種という可能性もありそうです。